ちょっとだけエスパー第5話感想|1万人vs1000万人、愛と正義のトロッコ問題

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第5話にして物語が一気に深いところまで踏み込んできました。

Eカプセルの誤飲から始まった四季(宮﨑あおい)の覚醒。
兆(岡田将生)が掲げる「愛してはいけない」という謎のルール。
そして、1万人を救おうとするBit5と、1000万人を守ろうとするYoung3の対立。

今回は第5話のあらすじと感想、そしてこの回が描いた「愛と倫理のトロッコ問題」について考えていきます。

目次

Bit5の新メンバー四季と、兆からの特別ミッション

吹っ飛ばしエスパー・四季、正式加入

前回ケーキと一緒に文太を吹っ飛ばした四季、今回正式にBit5のメンバーになりました。

桜介(ディーン・フジオカ)、円寂(高畑淳子)、半蔵(宇野祥平)、文太(大泉洋)、そして四季。5人揃って「Bit5だ!」と記念撮影するシーン、微笑ましかったですね。

それぞれが自分の「ちょっとだけ」の力を持ち寄って、チームになっていく感じ。ゆるくて温かい空気が流れてました。

兆からの緊急ミッション

でもそんな穏やかな時間は長く続かず。

兆から緊急招集がかかります。ミッション内容は「ある組織が受け渡すアタッシュケースを奪って、海に沈めろ」。人命が関わる可能性があるとのこと。

文太たちは戸惑いながらもミッションを引き受けます。
しかし、文太だけがその場に残され、兆から別の真実を告げられることに。

それは「1万人の命を救う」という途方もない使命でした。

軽いコメディから、一気に重い空気へ。この緩急の切り替え、さすが野木脚本です。

衝撃の真実│兆が四季の本当の夫!?

第5話最大の衝撃、それは兆と四季の関係でした。

兆が四季の本当の夫だった。…ってことですよね!?

これ、SNSで予想していらっしゃる方がいて「すげ~!!」って思いました。

「愛してはいけない」の意味が変わった

ずっと謎だった「愛してはいけない」というルール。その意味が一気に変わりました。

単なるヒーロー倫理じゃなくて、もっと個人的な理由だったのかもしれない。だって、自分の妻を他の男に愛されたくないって…いや待って、じゃあなんで仮の夫を据えたの? 最初から文太を四季のそばに置いたの兆じゃん。矛盾してない?

四季のそばを離れないといけなかった理由、めちゃくちゃ気になります。

四季の夢が変わった意味

第5話で四季が見た夢、変化してましたよね。

これまで文太が倒れていた事故の夢。でも今回は、そこにいたのは兆だった

夢が過去の記憶なのか、未来の断片なのか。

ちなみに前回私が「文太を夫と思い込んでるのは四季じゃなくて、本当は文太が記憶を失ってるのでは?」って書いた説、見事に外れましたね。笑

1万人vs1000万人│トロッコ問題の構図

第5話のテーマ、これはもう「正義とは何か」を問う構図でした。

Bit5は1万人を救うため、Young3は1000万人を救うため

整理するとこうなります。

  • Bit5(文太たち):兆の指示で動く。1万人の命を救うため
  • Young3(市松たち):Bit5を止めようとする。1000万人の命を救うため

市松(北村匠海)が叫んだ「1000万人が死ぬ!あんたのせいで!」という言葉。これ、つまり兆の計画を実行すると1万人は救えるけど、別の1000万人が犠牲になるってこと…?

完全にトロッコ問題じゃないですか。

1万人を救うために1000万人を犠牲にしていいのか。いや、1000万人を救うために1万人を見捨てていいのか。どっちも「正義」を名乗ってるから、対立が悲劇的なんですよね。

兆と四季が遭遇した事故との関係

ここからは私の妄想なんですけど。

兆と四季が遭遇した事故、もしかして1万人規模の犠牲が出てたんじゃないでしょうか。そして兆はタイムリープか何かで過去に戻って、それを防ごうとしてる。

だけど、それを防ぐことで1000万人が犠牲になる別の何かが起こる。市松たちはそれを知っていて、だからBit5を止めようとしてる。

兆は知らない1000万人より、身近な人(四季?)が含まれる1万人の方を優先してるのかも。第2話の千田守の件もあったし、兆って「全体最適」より「個人の救済」を選ぶタイプなのかもしれません。

お互いがお互いをヴィランと思ってる

Bit5とYoung3、面白いのがお互いを「ヴィラン」だと思ってるところなんですよね。

紫苑(新原泰佑)からしたら、縁日で助けてくれたおじさん(桜介)が実はヴィランだった!って認識なんでしょう。でも桜介が父親だとは気づいてないっぽい。あくまで「敵側の人間」としか思ってなさそう。

Young3のバックには誰かいるんでしょうか。九条(向里祐香)が主導権を握ってるのか、それとも別の存在がいるのか。このへんも気になります。

謎の白い男——ジャンクションを戻す存在

第5話終盤、めちゃくちゃ謎な存在が出てきましたよね。

白い服の男(麿赤兒)。雪のような粒子を降らせながら「ジャンクションを戻しに来た」と言う。

あのおじいさん、何者?

市松たち側の人間でもなさそうだし…兆が用意した人なんでしょうか?

「ジャンクション」という言葉を兆と同じように使ってるから、ノナマーレ社側の人間っぽい。Young3の登場でミッションが失敗する可能性を見越して、待機してたのかも。

アタッシュケースが空だった理由

文太が命懸けで守り抜いた青いアタッシュケース。開けたら空だった。

これ、ジャンクションが元に戻ったから空になったんでしょうか?

兆が言ってた「ジャンクション(分岐点)」という概念を踏まえると、アタッシュケースの中身は「未来の行方」そのものだったのかも。彼らが行動したことで未来が書き換えられて、中身が消えた。

空っぽのケースは「世界がまだ確定してない」ことの象徴なのかもしれませんね。

未確認因子の正体│一番の因子は四季だった

ずっと「未確認因子」って市松たちのことだと思ってました。

でも第5話を観て確信しました。一番の未確認因子は四季のエスパー化ですよね。

ディシジョンツリーのオレンジが広がってた

ミッション達成したのに、兆が見てるディシジョンツリーのオレンジ領域がむしろ広がってたじゃないですか。

あれ、市松たちの動きだけが原因じゃないと思うんですよ。四季がエスパーになったこと自体が、世界を大きく揺らしてるんだろうなあと。

兆が本当に恐れているもの

兆が異常に四季を気にかけてる理由、それは四季の存在こそが世界を歪める「予測不能な因子」だからじゃないでしょうか。

Eカプセル誤飲で能力を得た四季。その覚醒は兆の想定外。だからホログラムツリーが荒れてる。

「未確認因子」とは、「感情によって世界を揺らす存在」のことなのかもしれません。そしてその中心にいるのが四季。

兆が最も恐れているのは、彼女の「愛」そのものなのかもしれません。

まとめ|愛と正義、どちらを選ぶのか

第5話、一気に物語が動きましたね。

今回のポイント
  • 四季がBit5に正式加入、「吹っ飛ばしエスパー」として活躍
  • 兆が四季の本当の夫だったことが判明
  • 「愛してはいけない」ルールの意味が変わった
  • Bit5は1万人、Young3は1000万人を救おうとしている
  • 白い男(麿赤兒)の登場で「ジャンクション」の概念が明確に
  • 一番の未確認因子は四季のエスパー化だった可能性

これまでの「ゆるい異能コメディ」から、倫理と愛を問う本格SFドラマへ。笑いながらも背筋が凍る、野木脚本らしい回でした。

人はどこまで世界を変えていいのか。愛は救いなのか、それとも破壊なのか。

兆と四季、文太、そしてYoung3。それぞれの選択がどう交わるのか、次回が気になりすぎます。

第6話では四季の記憶と兆の正体がついに交錯しそう。「正義はどちらにあるのか」という問いに、どんな答えが示されるんでしょうか。

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