「え、また総裁選?」「なんで今なの?」
最近ニュースでよく見るけど、正直ちょっと難しそう……そんなふうに思っていませんか?
この記事では、「自民党の総裁選が前倒しされるかもしれない」という今の動きを、
政治に詳しくない人でもスッと理解できるよう、できるだけやさしく解説します。
- 総裁選ってなに?
- どうして自民党の総裁が首相になるの?
- 今の首相(石破さん)はどうして交代論が出ているの?
そういった素朴な疑問に答えながら、今、政治の世界で何が起きているのかをスッキリ整理しました!
「ニュースの見方がわかるようになった!」と思える内容になっているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
自民党の総裁選ってなに?前倒しってどういうこと?

ニュースでよく耳にする「自民党の総裁選」と「前倒し」という言葉。
でも、政治に詳しくないと正直よくわからないですよね。
この見出しでは、そもそも総裁選って何を決める選挙なのか、
なぜ今回「前倒し」が話題になっているのかをやさしく解説します。
まずは総裁選のしくみから見ていきましょう。
総裁選とは?だれがどうやって決めるの?
総裁選とは、自民党という大きな政党のリーダーを決めるための選挙です。
そして、この自民党のリーダー(=総裁)が、日本の首相になることがほとんどです。
なぜかというと、日本では「首相をだれにするか」は国会の多数決で決められます。
そのため、一番多くの議席(イス)を持っている政党が、実質的に首相を決められるという仕組みなんです。
今の日本では、自民党がたくさんの議席を持っている「与党」なので、
そのリーダーが自動的に首相になる、という流れができています。
だからこそ、自民党の中でおこなわれる総裁選は、
「日本のリーダーを決める選挙」とも言えるんですね。
自民党の中で総裁を選ぶときには、2つのグループが投票します。
1つは国会議員(自民党の議員さんたち)、もう1つは
「党員・党友」と呼ばれる、全国の自民党を応援している人たちです。
これらの人たちの投票で、新しい総裁が決まります。
ちなみに今の総裁は石破茂さんで、任期は2026年まで残っています。
でも、今「その任期を待たずに、総裁選を早めてやろう!」という声が出てきています。
それが、いわゆる「総裁選の前倒し」なんです。
ではなぜ、そんな話が出てきているのでしょうか?
なぜ「前倒し」が話題になってるの?
今、自民党の中で「総裁選を早くやろう!」という声がどんどん強くなっています。
その理由は、石破茂首相への不満が高まっているからです。
今年おこなわれた参議院選挙と都議会議員選挙で、
自民党は大きく議席を減らしてしまいました。
その原因とされているのが、
石破首相の「説明不足」や「対応のまずさ」です。
たとえば、
- 物価高にあえぐ国民を無視するような政策
- 国会の予算委員会を開かず、野党の質問から逃げたように見えた
- 選挙で負けたあとも、きちんと反省や総括をしなかった
といった行動が、党内の人たちから「このままではダメだ」という不満につながりました。
また、これまで石破首相を支持してきた人たちも、
「このままだと次の選挙でもまた負けるかもしれない」と不安になってきているんです。
こうした空気のなかで、
「総裁を今すぐ変えたほうがいいんじゃないか?」という声が、
自民党の中で一気に広まってきたというわけです。
では、誰がその「前倒し」を強く求めているのでしょうか?
なぜ前倒しを求める声が出ているの?

総裁選を前倒ししようとする動きの背景には、
石破首相に対する「このままではダメだ」という声があります。
ここでは、石破首相に対してどんな不満があるのか、
そして党内でどのような対立が生まれているのかを見ていきましょう。
石破首相への不満が高まっている理由
石破茂首相に対する不満は、ここ数ヶ月で急速に高まっています。
その主な理由は、2025年におこなわれた参議院選挙と東京都議会選挙での敗北です。
どちらの選挙でも、自民党は議席を大きく減らしてしまいました。
にもかかわらず、石破首相は
- 選挙結果について十分な説明をしなかった
- 敗因の分析や反省をしないまま静観していた
- 党内から求められた説明にも消極的だった
など、リーダーとしての責任を果たしていないのでは?という声が強まっています。
そしてもうひとつ、今の政権への大きな不満の原因が、“減税をしない姿勢”です。
中でも特に批判されているのが、ガソリンの「暫定税率(トリガー条項)」を廃止しないこと。
ガソリン価格が高騰しても、石破政権は税を引き下げるトリガー条項を凍結したままで、
「減税よりもバラマキ(給付金)」に頼る政策を続けているんです。
そのため、国民のあいだでは
- 「ガソリン代を下げてほしいのに、税金はそのまま」
- 「そのくせ一時的な給付金ばかりでごまかしている」
- 「庶民感覚がズレている」
といった不満がふくらんでいます。
さらに党内でも、
- 「このままでは中間層や若者の支持を失う」
- 「石破さんの経済政策は国民に響いていない」
- 「次の衆院選に勝てる気がしない」
という声が強まっており、
「今のうちにリーダーを変えるべき」という前倒し論につながっています。
では一方で、石破首相を守ろうとする動きはないのでしょうか?
「反石破派」と「首相擁護派」のせめぎ合い
今、自民党の中では「石破首相を交代させるべきだ」というグループと、
「今すぐ交代させるのは時期尚早だ」というグループが激しく対立しています。
まず、石破おろしを進めているのは、麻生派や安倍派に近い中堅・若手議員たちです。
彼らは、
- 「このままでは次の衆院選に勝てない」
- 「経済政策が国民に響いていない」
- 「石破さんにはもう求心力がない」
と考えており、早期に総裁選を前倒しして、新たなリーダーを立てようとしているのです。
一方で、石破首相を守ろうとしているグループも存在します。
彼らは、
- 「解散もしていないのに総裁を変えるのは無責任だ」
- 「いま混乱させると余計に政権への信頼を失う」
- 「今は外交や経済で継続性が大事だ」
といった理由で、石破続投を支持しています。
そして注目すべきは、石破首相自身の姿勢です。
石破首相は、前倒し論に対して明確な辞任意志は示しておらず、
「一日一日を乗り越える」という覚悟で続投に前向きな姿勢を見せています。
ただし、強く反論するわけでもなく、静かに事態を見守る“防戦モード”に入っているとも言われています。
そのため、両陣営の動きが読めず、党内の混乱に拍車がかかっているのです。
では、もし本当に総裁選が前倒しされた場合、
だれが新しいリーダーになる可能性があるのでしょうか?
有力候補①:高市早苗
高市早苗氏は、石破政権に代わる次のリーダーとして、いま最も名前が挙がっている候補のひとりです。
とくに保守系の議員や支持者から強く支持されており、「女性初の本格派保守総理」を目指す動きが強まっています。
高市早苗氏の特徴は、なんといっても“ぶれない保守思想”と強い発信力。
かつて総務大臣や経済安保担当大臣を歴任し、
安全保障や憲法改正、国防などのテーマに強い関心を持っています。
さらに今回、前倒し総裁選の動きについても、いち早く前向きな姿勢を見せたことで、
「高市さんなら戦える」と党内保守派が期待を寄せているのです。
高市氏を支持する主な層は以下のとおり:
- 自民党内の保守系議員
- ネット上を中心とした保守系有権者
- 女性初の首相を期待する層
ただし、課題もあります。
高市氏は過去の総裁選でも敗れており、派閥の支援が弱く、党内の根回しがあまり得意ではないと指摘されがちです。
そのため、
- どの派閥がどこまで本気で高市氏を支えるか
- 他候補とどう連携・調整を進めていくか
がカギとなります。
有力候補②:茂木敏充
茂木敏充(もてぎ・としみつ)氏は、自民党の中枢を担う幹事長を以前務めていた立場にあり、
総裁選を前倒しする動きの中でも最も現実的な“党内調整型”のリーダー候補として注目されています。
茂木氏の強みは、「安定感」と「調整力」。
外務大臣や経済再生担当大臣を歴任しており、
外交・経済の両面で経験が豊富です。
- 「石破おろし」をしたいが、過激な路線変更は避けたい議員
- 大きな路線転換よりも、安定と実務を重視する派閥幹部
- 政治経験と信頼を重視する中堅層
一方で、一般の有権者からの知名度はそれほど高くなく、発信力の弱さが課題です。
また、「派閥での力学」や「調整型」という印象から、
- “変化に乏しい”と見られやすいこと
- 若手議員や改革派からの支持が限定的であること
が弱点となる可能性があります。
有力候補③:小林鷹之
小林鷹之(たかゆき)氏は、前の岸田政権で経済安全保障担当大臣を務めた人物です。
石破政権が続く中で、“若手・中堅からの新しい風”として注目が集まりつつあります。
小林氏は、現在43歳という若さでありながら、省庁・経済・安全保障に詳しい実力派。
いわゆる“安倍チルドレン”世代ですが、独自の政策発信や国際感覚を持ち、
若手議員からも「今後の自民党を担う存在」として期待されています。
今回の総裁選前倒し論の中でも、
「古い顔ぶれではなく、若いリーダーを」という声の中心にいるのが小林氏です。
- 若手・中堅の改革派議員
- 世代交代を求める保守層の一部
- 政治に新しい風を求める一般層
とはいえ、小林氏にはいくつかの課題もあります。
それは、
- 知名度がまだ低く、国民への浸透度が不十分なこと
- 党内に強い派閥の支援がないこと
- 選挙戦を勝ち抜くための「地盤」が整っていないこと
そのため、今回の前倒し総裁選で“本命”になるかはまだ不透明ですが、
「将来の総理候補」として名前を売る絶好のタイミングであることは間違いありません。
その他の可能性:河野太郎や小泉進次郎は?
「次の総理」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが河野太郎氏や小泉進次郎氏です。
ですが、今回の総裁選前倒しの流れの中では、現時点でこの2人の名前はほとんど表に出てきていません。
まず、河野太郎氏は過去に2度、総裁選に出馬しており、
党員からの人気は非常に高い人物です。
SNSなどでの発信力もあり、若年層・都市部の支持者を多く抱えています。
ただし、今回は前倒しを主導している「石破おろし」派の中心メンバーではなく、
党内での動きも目立っていないことから、
「今回は様子見をしているのでは」と見る声が多いです。
一方の小泉進次郎氏も、長く「将来の総理候補」とされてきた存在。
環境大臣時代には話題を呼びましたが、
その後は派閥に属さないスタイルをとっており、党内での影響力は限定的といわれています。
また、今回の総裁選についても、明確な発言はしておらず、静観している状態です。
そのため、現時点ではこの2人が「本命」として浮上してくる可能性は低く、
「次回以降に向けて、機会をうかがっている段階」と考えられています。
Q&A形式で内容を整理!
- どうして自民党の総裁が日本の首相になるの?
-
日本の首相は「国会で選ばれた人」がなるルールです。
自民党は衆議院で多数を占めているため、総裁(トップ)がそのまま首相になるケースが多いんです。
だからこそ、自民党内の総裁選=実質的に“次の首相を決める選挙”といわれています。 - 石破首相に対して、どんな不満があるの?
-
大きく2つあります。
1つは選挙での敗北への説明責任を果たしていないこと。
もう1つは、減税を行わず、ガソリン税の軽減もせずに、給付金をバラまくような経済政策に対して不満が高まっていることです。 - 今、石破首相は辞める気があるの?
-
いいえ、現時点では辞める姿勢は見せていません。
「一日一日を乗り越える」として、総理の座を続ける考えを示しています。
ただ、党内では前倒しで総裁選を行う動きが強まっており、状況は緊迫しています。 - 次の総理候補は誰になりそう?
-
現時点で名前が挙がっているのは、高市早苗氏、茂木敏充氏、小林鷹之氏の3人です。
それぞれに特徴があり、支持層も異なるため、今後の動きによって情勢は大きく変わる可能性があります。 - 河野太郎さんや小泉進次郎さんは出ないの?
-
今回の前倒し総裁選では、2人とも表立った動きはしていません。
どちらかというと「今回は様子見」といった立場で、
将来のチャンスに向けてタイミングをうかがっている段階だと考えられます。
まとめ
今回の記事では、今話題になっている自民党の総裁選前倒しの動きについて、
できるだけわかりやすく、やさしい言葉で解説しました。
以下に、ポイントを整理しておきます。
- 自民党の総裁が首相になるのは自民党=与党だから
- 石破首相は辞任の意志を示しておらず、続投を目指している
- 党内では「石破おろし」と「続投支持」が真っ向から対立中
- 総裁選が前倒しされた場合、注目の候補は高市早苗・茂木敏充・小林鷹之
- 河野太郎・小泉進次郎は、今回は様子見の立場
- 有権者の不満は、主に経済政策や税制への不信感が背景にある
政治の話は難しく感じられがちですが、
「なぜ今こんな話が出ているのか」「誰がどう動いているのか」を押さえることで、
ニュースがずっと身近に感じられるようになります。
今後も続報が出ると思われるので、「誰がどの立場か」をおさえたうえで、
ニュースを読み解いていきましょう!